2011年09月12日
親名義の不動産があるのですが、実はずっと前に親は亡くなってます。名義はこのままでもいいですか?
亡くなった親の名義のままで何十年も経った、というケースは珍しいことではありません。
このように期限がないことではありますが、あまりにも名義変更を先延ばしにしてしまうと、厄介な問題が生じることがあります。
典型例としては、相続人だった方が次々に亡くなられ、その下の世代(子・孫・ひ孫)が相続人となり、相続関係が複雑になってしまう場合です。
当初の相続人間では内々に「あの土地は〇〇名義にしよう」と決めてあったとしても、話し合った相続人が亡くなってしまうと、その子供は昔の話し合い結果には拘束されませんので、当初はまとまっていたはずの話がまとまらなくなってしまいます。
したがって、何らかの結論が出た時点で、早めに名義変更の登記(相続登記と呼びます)をされたほうが好ましいでしょう。
なお、どうしても相続登記をしなければならないケースがあります。
よくあるのは、親御さんが団体信用生命保険に加入していて、亡くなったことにより住宅ローンを完済できた場合です。
住宅ローンを受ける際、金融機関や保証会社が融資の対象になった土地建物に「抵当権」というものを付けます。
この「抵当権」はローン完済で消えるのですが、登記簿から「抵当権」を消すにあたっては、その前提としての相続登記が必要になるのです。
また、相続人の方が、「この不動産を転売したい」「この不動産を担保にして借金したい」という場合にも、その前提としての相続登記が必要になります。